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衛生仮説 衛生的な生活環境がアレルギーを急増させた
感染症に関連するTh1という免疫反応とアレルギーに関連するTh2という免疫反応のバランスは、なぜ崩れてしまったのでしょう。
そこで近年注目されているのが「衛生仮説」というものです。花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎に代表されるアレルギー病に関与する大きな因子に遺伝的素因があることは間違いありません。ですが、アレルギー病の急増はここ30年くらいのことで、これだけ短期間で遺伝的な素因が大きく変化したとは考えられません。
「衛生仮説」とは、それらアレルギー性の病の原因を、生活環境の変化、つまり衛生環境が悪く感染症が多かった発展途上国の生活環境から、欧米先進国型の衛生的な生活環境に変わったことに求めるものです。
アトピー性皮膚炎や花粉症は、日本だけでなく世界の至るところで急増しているようです。
オランダの報告では1986年から1992年までの6年間で小児の花粉症患者が1割近く増えたそうです。スウェーデンでは過去12年間で、小児の花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎の発症率が2倍に増えました。このような近年のアレルギー病の著しい増加は、生活環境の変化に原因を探さなくてはならないのです。
これだけ急激な増加ということになれば、さすがに「遺伝が主要因」だけでは説明がつかないのでしょう。
冷戦時代の東西ドイツといえば、資本主義国として発展していた西ドイツに比べ、共産圏の東ドイツは相対的に貧しかったのでしょう。遺伝的要素よりも生活環境の変化が重要であることを示す研究の一つを紹介しましょう。旧東ドイツが現在のドイツとして統合された後、アレルギー病が急増したことを報告したもので、統合後に生まれた子供たちの花粉症発症率は、統合前の2倍近くに増加したそうです。
それが統合された後、「発展途上国型の非衛生的な生活環境」から「欧米先進国型の衛生的な生活環境」に変わっていったということのようです。
しかし、結果的にそのことが花粉症を倍増させる要因になったとすれば、なんとも皮肉な話です。
実際、世界各地でのどのような生活環境の変化がアレルギー性の病気の原因になっていったのでしょう。
近年発表されたという研究結果は、なかなか興味深い内容になっています。
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